Japanese
English
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皮膚科領域に於けるグリチロンの効果
CLINICAL EXPERIENCE OF GLYCYRON ON SOME SKIN DISEASES
武田 己広
1
,
谷 徹郎
1
,
和田 満馬
1
M. TAKEDA
1
,
T. TANI
1
,
M. WADA
1
1徳島大学皮膚泌尿器科教室
1Department of Dermato Urology, Tokushima University
pp.358-366
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202526
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まえがき
Glycyrrhizineは2分子のGlucuron酸と1分子のGlycyrretin酸とからなる抱合体で,体内で分解されると発生機のGlucuron酸を生ずると考えられている。既に本剤の抗アレルギー作用(土肥,石崎),抱合解毒作用(久保木,市川,三好,熊谷,菊田,進藤など),Cortison分解抑制作用あるいはCortison分泌促進作用(熊谷,中村,菊田)が,大量はDOCA様作用を呈することも知られている(菊田,Borst Molhuysen)。従つてGlycyrrhizineのSteroid-hormon様の作用即ち抗炎症作用,抗Hyaluronidase作用,滲出抑制作用が想像され,同時に教室の業績から皮膚毛細血管抵抗(CR),光線感受性(SEI),皮膚酸化還元機能(TRI)などの正常化が期待されてよい。こうした観点から私共は,いわゆる健康な家兎にGlycyrretinを投与して上記の皮膚機能検査を実施すると共に皮膚疾患患者を対象として皮膚機能と密接な関係にある自律神経系機能を,いわゆる広瀬氏ヒヨリン顆粒(ヒ顆粒)の測定によつて推測しようと考えた。なおGlycyrr-hizineの皮膚科臨床的応用については既に出村,矢村,安田,石崎,菊田,山形,中島などの報告に接し,かなりよい結果が認められている。
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