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喉頭炎症性疾患に対するグリチロンの使用経験
杉村 公美
1
1東京大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科
pp.291-293
発行日 1958年4月20日
Published Date 1958/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201991
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緒言
上気道の炎症性疾患に対する治療法は,最近長足の進歩をとげ,抗生物質・化学製剤・又は抗ヒスタミン剤等が広く使用されている。更に,上気道粘膜がホルモンやビタミン類によつて極めて影響され易いことが,臨床的にも又実験的にも解明され,上気道粘膜機能の本態や,発声器官としての喉頭のホルモンによる影響については,未だ神秘のヴエールに包まれている処が少くないが,それらの臨床的応用は遂次一般化している。
従来,強力ミノフアーゲンCはその優れた解毒・抗アレルギー作用を以て,耳鼻咽喉科臨床にも広く使用されている。最近,その成分中のグリチルリチンの作用が追求された結果,グリチルリチンは鼻や喉頭の炎症性又はアレルギー性疾患の症状軽減に著効を認められているコーチゾンと類似の効果があると認められるに至つた。
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