Japanese
English
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ノブロン錠による皮膚疾患の治験
TREATMENT OF SKIN DISEASES WITH NOBLON TABLET
佐藤 幹男
1
Mikio SATO
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology Hokkaido University School of Medicine
pp.81-83
発行日 1959年1月1日
Published Date 1959/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202468
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近年,数多くの抗ヒスタミン剤が相ついで登場し,皮膚科領域に於ても,本剤による所謂アレルギー性皮膚疾患の治験報告は枚挙に遑なく,斉しくその優れた止痒作用及び治療効果を認めている。一方,かかる皮膚疾患々者に於ける精神々経的不安状態がその発症の一因となり,或はまた治癒遅延の一因子となり得る事を考える時,止痒効果のみならず強力な鎮静作用をも期待出来る薬剤が望まれるわけである。
かかる要望をみたすものとしてChlorproma-zineが登場した。本剤は既に周知の如くPheno-thiazine誘導体で,強い中枢麻酔作用があり,鎮静,鎮痛,鎮痙,鎮吐的に用いられる外止痒効果をも有することから皮膚科領域に於ても多数の使用報告が見られる。即ち本剤は一般に掻痒性皮膚疾患の急性症には有効であるが,慢性症では特に皮膚の浸潤,肥厚に対しては直接的な効果は認め難く,他療法との併用が望ましいものとされている。
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