Japanese
English
原著
Elestol®による2〜3皮膚疾患の治験
TREATMENT OF SOME SKIN DISEASES BY ELESTOL ®
宮沢 偵二
1
,
熊坂 鉄郎
1
Teiji MIYAZAWA
1
,
Tetsuro KUMASAKA
1
1仙台逓信病院皮膚科
1Dept.of Dermat., Sendai Teishin Hospital
pp.621-625
発行日 1961年7月1日
Published Date 1961/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203094
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エレストールは燐酸クロロキン(レゾヒン)と副腎皮質ホルモン(プレドニソロン)を配合し,抗リウマチ剤として吉富製薬より発売された薬剤であつて,その組成は1錠中
燐酸クロロキン 0.04g
アスピリン 0.2g
プレドニソロン 0.75mg である。
抗マラリヤ剤の皮膚科的応用は燐酸クロロキンの前身であるキナクリンがPage1)によつてエリテマトーデスに試みられてより,多くの追試を受け,世の注目を浴びるようになつた。その後の研究により皮膚黄染の欠点を除いた燐酸クロロキンの登場を見た。本剤は慢性エリテマトーデス以外に日光皮膚炎,酒皶或は血管炎を主徴とする疾患,例えば結節性紅斑,多形滲出性紅斑に用いて相当の効果を挙げ,本剤の皮膚疾患に対する応用は十分に問題とされるようになつた。その作用機序はPage1),Sulzberger等2)によつて研究され,最近本邦に於ては石原3)が薬理学的方面より検索し,本剤に血管透過性抑制作用,抗ヒスタミン作用,抗アセチールコリン作用,抗炎症性作用を認めた。かかる抗炎症性作用の強いレゾヒンと副腎皮質ホルモンとの配合により各自の有する作用が相互に増強するということは十分に窺われることであつて,皮膚科方面に於けるレゾヒンの適応症或は副腎皮質ホルモンの適応症に対し,両者の配合剤であるエレストールを使用し,エレストールの皮膚科領域に於ける適応症について些か検討して見た。
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