Japanese
English
原著
Triamcinolone Aerosol Sprayによる皮膚疾患の局所療法
TOPICAL APPLICATION WITH TRIAMCINOLONE AEROSOL SPRAY IN VARIOUS SKIN DISEASES
宇都宮 貞俊
1
,
森川 俊宏
1
Sadatoshi UTSUNOMIYA
1
,
Toshihiro MORIKAWA
1
1徳島大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Tokushima University
pp.507-513
発行日 1961年6月1日
Published Date 1961/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203071
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I.まえがき
この数年来,新しい合成副腎皮質ホルモンが相ついで登場し,広く各科領域で応用されている。このうちC11位にOH基を有する副腎皮質ホルモンは軟膏として外用する際とくに有効なことがよく知られている。軟膏療法の場合は経口投与と異なり,重大な副作用の発生を見ることは非常に稀であるから,副作用を余り考慮する必要がなく,効果が一層強く,用法が簡便であり,かつ経済的にもより安価なものの発見に専ら努力が払われている。この点Triamcinoloneは優秀な抗炎症,抗アレルギー作用を持つており.本剤の0.1%含有軟膏は1%Hydrocortisone軟膏(Smith,Lerner,Crowe,小堀)や0.25〜0.5% Predoni-solone軟膏(宇都宮,小堀)と同等あるいはこれを凌駕する効力を示すといわれる。しかし同じ種類の薬剤を等濃度で皮膚に用いても使用する軟膏基剤によつてその臨牀効果の異なることは外用療法の常識であり,従来この種薬剤の基剤としてはlotion,乳剤性基剤が最もすぐれていることが既に報告されている(小堀)。
今回私共が三共株式会社から提供を受けたTriamcinolone acetonide aerosol spray (Ke-nacort-A spray Squibb)の使用方法はPush-button式機構でlotionを患部に噴霧するだけであるから,従来の局所療法と全く異なった投与形式である。
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