Japanese
English
原著
2,3皮膚疾患に対するTriamcinolone acetonide局所注射治験
TREATMENT OF LOCALIZED SKIN LESIONS WITH INTRADERMAL INJECTION OF TRIAMCINOLONE ACETONIDE
古谷 達孝
1
,
香川 三郎
1
,
小田切 久夫
1
,
佐藤 允康
1
,
石原 文之
1
,
鳥居 ユキ
1
T. FURUYA
1
,
S. KAGAWA
1
,
N. SATO
1
,
H. ODAGIRI
1
,
F. ISHIHARA
1
,
Y. TORII
1
1東大分院皮膚科
1Dermatological Section, Branch Hospital of Tokyo University
pp.609-613
発行日 1961年7月1日
Published Date 1961/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203092
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I.はじめに
周知の如くCortisone並びにその後出現した各種の合成副腎皮質ホルモンは今日皮膚科領域においては必須欠くべからざる治療薬剤となつており,副腎皮膚ホルモン使用によつて始めて起死回生の効果を見ることもまれではない。かかる意味で今日副腎皮質ホルモン製剤の使用法に熟知することは,従来の軟膏療法に習熟すると同様に皮膚疾患治療学におけるABCである。皮膚科領域における副腎皮質ホルモン療法には,全身療法と局所療法とに大別され,前者は,膠原病,天疱瘡,紅皮症,紅斑症,紫斑症,重篤円形脱毛症,中毒疹,細網症,汎発性湿疹,アトピー性皮膚炎等の全身性疾患,或は罹患部広汎に亘る湿疹皮膚炎性疾患をその対象とし,その投与法は概ね従来皮膚科,内科,小児科方面で報告されたものに等しい。後者即ち局所療法は皮膚科独特のもので,日常最も頻繁に遭遇するところの比較的狭範囲の湿疹,皮膚炎性疾患,神経皮膚炎,固定性蕁麻疹,ケロイド,軽症円形脱毛症等をその対象としている。局所療法は又軟膏療法と病変部局所皮内注射療法とに大別され,前者は主として急性湿疹,接触性皮膚炎等の急性炎症性病変をその対症とし,後者は主として病変皮膚の肥厚,浸潤の著しい限局性神経皮膚炎(ヴィダル苔癬),固定性蕁麻疹,ケロイド,あるいは又円形脱毛症等をその対象としている。
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