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緒 言
春季カタルの病因は,主に眼局所における一種のアレルギー反応1〜3)と考えられており,組織学的所見4,5)および免疫学的所見6)もこれを支持している。したがって,ステロイド剤点眼1,7)および種々の抗アレルギー剤8〜10)は春季カタル治療の良い適応であり,その使用報告例が多数みられる。しかし,これらの治療に抗し,角膜障害を併発したり経過が遷延する難治性のものが,しばしば見られる。これらに対しては,ステロイド剤全身投与1)や結膜乳頭への外科的手段1,11)が用いられるが,効果が一時的であること,さらに副作用の点から長期間の治療に適さないなどの問題がある。
ステロイド剤を用いる場合,局所組織内により高いステロイド濃度を得るには,局所注射が点眼および全身投与に比し優れている。この場合,一回の局所注射で組織内にステロイドが高濃度かつ長時間存在することか望ましく,難溶性のステロイド製剤12)はこの目的に沿うものである。
We treated 8 cases of severe vernal conjunc-tivitis with topical triamcinolone acetonide, oneof the long-acting corticosteroids. All the 8 cases had failed to favorably respond to topical and systemic administration of conventional corticosteroids and some cases had developed persistent corneal ulcer. Each of the 7 cases received 2mg of triamcinolone acetonide as aq-ueous suspension injected into the upper eyelid. One case, in whom the symptom was severe, received the drug as subconjunctival injection.
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