Japanese
English
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"Non Corticoid Steroid" Diloderm creamの試用経験
CLINICAL USE OF"NON CORTICOID STEROID"DILODERM CREAM
中村 家政
1
Iemasa NAKAMURA
1
1熊本大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, Medical Faculty, Kumamoto University.
pp.958-963
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202934
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Ⅰ.はじめに
副腎皮質ホルモンの皮膚科的応用はSulzberger & WitterがHydrocortisoneを初めて皮膚疾患に外用してより,多数の製剤が次々と試みられ,現在はHydrocortisone以外にPrednislone,Triamcinolone,MethylprednisoloneDexamethasoneが何れも軟膏の形で旺んに使用される様になつた。併し之等のホルモンは経口投与の経験から推測して容易に判る様にその抗炎症性は唯量的な相違で,それも一定の限界があり,至適濃度ではどの製剤も大差ない成績が得られるものと考えられる。
かかる見地より近年この種の軟膏製剤では薬剤の種類よりむしろその深達性が問題にされ,基剤の撰択に注意が向けられている様であるが,最近アメリカシェリング社で試作された9α,11βdichloro-1,4-Pregnadiene-17α,21diol-3,20-dione-21acetateは従来の概念から云うならばGlucocorticoidとは一寸考えられない物質であり乍ら強い抗炎症作用を持つ点が注目されている。即ち上記の一連のCorticoidは何れもC-11にKeton若しくはHydroxyl基を有しており,従来はこれが抗炎症,抗アレルギー作用を示す一つのキーポイントと考えられていたのであるが,本剤は之を欠如し,その代りChlor基がついている。
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