Bedside Teaching
Steroid myopathy
鶴谷 秀人
1
Hideto Tsurutani
1
1国立療養所南福岡病院
1The National Minami-Fukuoka Chest Hospital
pp.1211-1216
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404910060
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内因性のグルココルチコイドが生理学的レベルを越える時にみられる筋力低下と易疲労性は,Harvey Cush-ing(1932)によって最初に報告されている。1950年に入ってステロイドが膠原病や気管支喘息の治療に用いられるようになり,1958年医原性のステロイドミオパチーsteroid myopathyが副作用として報告されている。
Steroid myopathyはクッシング様肥満などさまざまなステロイド剤の副作用とともに出現する。重篤な副作用としては頻度が低く見逃されがちであるが,早期に発見し対処しなければステロイド療法とともに進行し,不可逆性の萎縮を残す。呼吸器疾患領域でも重症の喘息だけでなく,最近では膠原病肺や特発性間質性肺炎などに対して,ステロイドの大量長期投与を必要とすることが増加している。ここではsteroid myopathyの臨床像と病因を中心に整理し,その対策・治療にもふれる。
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