Neo-dilodermの試用経験，特にその奏効機序に就いて

TOPICAL APPLICATION OF A NEW DERIVATIVE OF CORTICOSTEROIDS IN TREATMENT OF SKIN DISEASES

I．はじめに

　Diloderm （Dichlorisone acetate）軟膏に従来のCorticoid同様優れた抗炎症作用のあることは既に周知の事実であるが，本剤はその構造式第1図が他のどのGlucocorticoidとも若干異つている。又消炎作用が使用局所に限局，全身投与では全く無効な点も他の製剤にみられない特徴である。何れにしても本剤はCorticoidの抗炎症作用の機構を考察する上に甚だ興味深い薬剤で，著者等は，前回の報告でも2，3この問題に触れたが，最近幸いDichlorisone acetate純末の提供を受けたので，本剤の奏効機序に就いて2，3検索を試みた。猶Dichlorisoneは最近Dilode-rmの姉妹品としてNeomycinを加えたNeo-diloderm，Aerosol formとしたDilodermAerosol，Neodiloderm Aerosol等が発売され同時に試供を受けたので，併せてその試用経験を述べてみたい。