Japanese
English
--------------------
Brado creamによる皮膚糸状菌症の治験
TREATMENT OF DERMATOMYCOSIS WITH BRADO CREAM
竹内 勝
1
,
今井 利一
1
,
内海 滉
1
Katsu TAKENOUCHI
1
,
Toshikazu IMAI
1
,
Akira UTSUMI
1
1千葉大学医学部皮泌科教室
1Dept. of Dermato-Urology, Chiba University, School of Medicine.
pp.965-970
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202935
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.まえおき
第2次世界大戦後,糸状菌症の激増に対応して,抗糸状菌製剤の再検討或は新製品への研究が活溌に行われているが,第一次大戦後の糸状菌症が主としてTrichophytonを原因菌として蔓延したのに比し,第2次大戦後のそれはEpidermo-phytonを主体として蔓延する傾向が見られ,菌種の相違に由来する抗糸状菌剤の効力は著しく減殺されているかの観がある。即ち,グリセオフルビンの如き内服剤はここでは論外として,外用剤として従来試みられて来たものは,ヨード剤,硫黄剤,テール剤,Tct Arning,カステラニー氏液などが挙げられるが,いずれも強力なる抗糸状菌作用と,皮膚病変に対する無刺激性と言う抜本的な条件の両者に十分に満足せしめ得るものは見当らなかつた。
元来,理想的な抗糸状菌外用剤としては,強力なる抗糸状菌体作用を有することが第1条件であることは言うまでもないが,更に湿疹化せる局面に塗布して無刺激性であること,止痒作用を有すること,外観上清潔且つ使用に便なる形状を有すべきことが必須状件として要求されて来たが,湿疹化せる局面に必然的に起り得る細菌感染,特に連鎖球菌の2次的感染をも併せて除外し得る作用を有することも,理想的な抗糸状菌剤に負わされるべき条件の1つであろう。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.