GlycyrrhizineのCorticoid作用とその皮膚科的応用（第1報）

CORTICOID-LIKE ACTION OF GLYCYRRHIZINE AND ITS CLINICAL APPLICATION IN DERMATOLOGY

緒言

　Glycyrrhizineの皮膚科的応用に就いては既に出村^1），矢村^2）3），安田^4），菊田^5），外松^6），山形，中島^7）の諸氏が種々検討し，本剤に可成り顕著な消炎，抗アレルギー，止痒乃至は肝庇護等の諸作用のあることを指摘しているが，私共も本剤が一種特有のGluco corticoid作用を持つ点に興味を惹かれ，1昨年来その皮膚科応用に種々検索を重ねている。その一部は既に第57回日本皮膚科学会総会，第9回及び第10回西日本皮泌科連合地方会，ホルモンと臨床^8）9）等に数次に亘つて発表したが，最近漸くその作用機序，投与量，投与方法，効果等に若干まとまつた知見を得たので以下2報に分けて略述，諸賢の御批判を仰ぐ次第である。猶，本研究の詳細に就いては協同研究者の1人中村（隆）が近く発表する予定である。