Japanese
English
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自家感作性皮膚炎における低分子ポリビニールピロリドンの応用
CLINICAL EFFECT of"PERESTON N"ON AUTOSENSITIZATION DERMATITIS
中西 淳朗
1
Atsuo NAKANISHI
1
1東京電力病院皮膚科
1Depart. of Dermat., Tokyo Denryoku Hospit.
pp.956-958
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202933
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Ⅰ.はしがき
所謂自家感作性皮膚炎1)2)の発症に際して,生体側の諸因子の他に原発皮疹における化膿性球菌の感染が重要な意義を有している。即ちStrem-pel等のドイツ学派が播種性湿疹様細菌疹disse-minierte ekzematoide Mikrobideと名附けた様に,本症は細菌の毒素又は代謝産物が大なる役割を演じている。従つて本症の治療上,原発皮疹の抗生物質軟膏による療法は重要であるが,之には菌の培養と菌の感受性の決定が先決である。
そこで本症の診断を下した後に,原発皮疹から菌の培養と菌の感受性試験を行うが,成績を得る迄に3〜4日を要する。この間に皮疹には基礎膏を用いるとして,少しでも早く生体内の細菌毒素又は代謝産物並びに之等に起因せるアレルギー機構の排除を行う目的の下に低分子ポリビニールピロリドンを試用し,所期の目的を一応達し得たのでここに報告する次第である。
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