原著
Post-steroid Panniculitis
辻 卓夫
1
,
鈴木 伸典
1
,
金 正義
2
,
上田 享
2
Takuo TSUJI
1
,
Shinsuke SUZUKI
1
,
Masayoshi KIN
2
,
Toro UEDA
2
1大阪市立大学医学部皮膚科教室
2大阪市立大学医学部小児科教室
1Department of Dermatology, Osaka city University Medical school
2Department of Pediatrics, Osaka City University Medical School
pp.763-769
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202282
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2歳と3歳の男児に出現したpost-steroid panniculitisにつきのべた.両者共,ネフローゼ症候群で長期間(それぞれ約6ヵ月と12ヵ月),steroidを服用(プレドニゾロンに換算してそれぞれ3,000mgと1,720mg)した後,これを中止した時に全身各所に有痛性の皮下硬結が出現した.これらはsteroid再投与で消失した.組織所見では皮下組織に限局するリンパ球,組織球および異物型巨細胞の浸潤で,放射状裂隙様構造をもつ変性脂肪細胞またはこれを貧食する巨細胞もみられた,臨床検査成績では副腎皮質機能低下を示す所見以外に特に異常を認めなかった.電顕所見で,新生児脂肪壊死症と類似する所見がみられ,両者の類似性が示唆された.
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