Japanese
English
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腎障害を伴う2,3皮膚疾患に対するParamethasoneの試用経験
EFFECT OF PARAMETHASONE ON SOME DERMATOSES ACCOMPANIED BY NEPHROTIC DISTURBANCE
中村 家政
1
,
岩切 達
1
Iemasa NAKAMURA
1
,
Toru IWAKIRI
1
1熊本大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, Medical School, Kumamoto University
pp.557-560
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203531
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I.まえがき
現在われわれの使用できる副腎皮質ホルモンはcortisone,hydrocorisone,prednisolone,methylprednisolone,triamcinolone,dexamethasone(以下dex),paramethasone(以下para),betamethasoneの8種であるが,この内前二者には塩類性の副作用がかなり強く,恐らく特殊の場合(例えばcortisoneの内服が不可能で注射を行なう場合とか,hydrocortisoneの局注を試みる場合など)を除き現在ほとんど使用されていないのではないかと思う。prednisoloneになると短期間投与には十分耐えるが,これも長期連用時はやはり副作用が目立つてくる。この他paraとbetamethasoneは市販後日浅く,結局残余のmethylprednisolone,triamcinolone,dexあたりがもつとも盛んに使用されているものと考える。しかしこの3剤は臨床的に特に優劣をつけられないと思う。なぜならばこの種の製剤は普通市販される前にそれぞれ抗炎症作用,塩類代謝作用が詳細に検討されるのであるが,その場合基礎実験には副腎別出ラットを使用するのに対し実際われわれが患者に使用する場合は,患者自身の副腎の影響が複雑に関与し3剤間にみられる細かな特徴など,恐らくその生理的動揺範囲に這入つて了うと思われるからである。
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