Japanese
English
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湿疹類に対するATPの効果
CLINICAL EFFECT OF ATP FOR ECZEMA
外松 茂太郎
1
,
久保 泰徳
1
,
柳田 伍平
1
,
成田 稔
1
Shigetaro SOTOMATSU
1
,
Yasunori KUBO
1
,
Gohei YANAGIDA
1
,
Minoru NARITA
1
1京都府立医科大学皮膚科泌尿器科学教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural Meidical College
pp.139-141
発行日 1960年2月1日
Published Date 1960/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202761
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ATP (Adenosinetriphosphate)は1928年にLohmannが筋肉中に発見したAdenosine,Ribose,燐酸よりなるNucleotideで,生体内糖分解過程から,特に1分子の焦性葡萄酸がTCAサイクルで分解する際に5個の脱水素反応に伴ない15個生ずる。このATPがATP-aseの存在でADP (Adenosine diphosphate)になるときに多量のエネルギーを遊離し,生体の機械的仕事,滲透作用,細胞内物質台成に対しエネルギー出納に関与するが,また各種補酵素を介して炭水化物,脂肪,蛋白質代謝などにも重要な意義を有し,従つて生体機能はATPの合成および分解を中心として行われると称しても過言ではない。
臨床的には早くより筋萎縮症,リウマチ様関節炎,脳神経系疾患,循環器疾患などに試みられているが皮膚科的応用は未だ僅かで,ようやく最近,小石,神村—阿部,佐野等により2,3報告されているのみである。われわれはすでにATPを副腎皮質ホルモン療法における後療法として用い,ある程度の効果をえて報告したが,今回はATPを主として湿疹に対し単独に,また副腎皮質ホルモンの少量と併用し,少しく知見をえたので以下に述べる。
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