Japanese
English
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グリチールリチン剤による皮膚疾患の治験
TREATMENT OF SOME SKIN DISEASES BY GLYCYRRHIZINE
二宮 聖耳
1
,
織田 信一
1
,
西部 仰二
1
Seiji NINOMIYA
1
,
Shin-ichi ODA
1
,
kōji NISHIBE
1
1京都大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyoto University School of Medicine
pp.356-358
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202525
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緒言
古来より漢方薬として尊重されてきた甘草の一成分であるところのGlycyrrhetin(以下Gと略記)を含んだ,強力ネオミノフアーゲンCは既に多年臨床に用いられ来つたものであり,又その効果も今や万人のみとめるところとなり,その治験報告も多くみられる。その主成分であるGについても基礎実験がなされてきた。
即ち進藤1)は破傷風毒素,抗毒素間の中和作用に応用し著明な阻止作用ありとし,同様,斎藤2)はジフテリヤ毒素,久保木3)らは硝酸ストリキニーネに対する解毒作用についてその効果をみとめている。又,矢村4)らは,Gの抗アレルギー作用を感作海猽の腸管収縮反応を以て実験し中等度の抑制作用を証し,且血清蛋白への好影響をみとめた。三好5)らはテトロドトキシンに対する解毒効果をみとめ,この際同時にGの構造からコーチゾン類似の生理作用を期待したが,はたして尾形6)Grönはアジソン氏病に用いDOCA様作用をみとめたという。菊田7)らも臨床的に肝機能の好転をみる一方血中好酸球を目標としてアドレナリン,AC-TH,Gの三者を比較してGが解毒作用を有すると共にステロイドホルモン様作用を併有することをみとめ,動物実験ではGが血管透過性促進物質を抑制するとの結論を得ている。
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