Japanese
English
--------------------
皮膚科領域に於けるプレジシールの応用
EVALUATION OF THERAPEUTIC RESULT TO SOME SKIN DISEASES WITH PLEGICIL.
小堀 辰治
1
,
鳴海 淳郎
1
T. Kobori
1
,
J. Narumi
1
1東京逓信病院皮膚科
1Dermatology Department, Tokyo Teishin Hospital
pp.195-199
発行日 1958年2月1日
Published Date 1958/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202193
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒論
掻痒は皮膚疾患の主要症状の一つであり,且,患者を最もくるしめるものであることは今更述べるまでもない。しかも掻痒と皮膚症状との間には悪循環circulusvitiosusが形成され,互に因となり果となつて更に症状を悪化せしめるものである。従つて,掻痒性疾患の治療としては可及的速かにかくの如きcirculus vitiosusをたちきり,治癒を促進せしめることに屡々重点がおかれる。このような意味あいから,ここ2,3年来neuro-plegicaがこの目的に多く使用されている。その一つとして新しくphenothiazine系薬剤が登場し,その代表的なものにchlorpromazineがある。本剤は各種の薬理作用を有し,とくに中枢神経並びに植物神経に及ぼす作用が特異であるため,各科にわたり広く使用されるようになつたが,皮膚科領域に於てもこの種薬剤の有する強力な鎮痒作用竝にそのtranquilizing effectが利用せられて日常臨床に従来の抗ヒスタミン剤にかわつて使用せられるようになつた。著者等もこれに関し曩に報告1)するところがあつたが,最近更にphenothiazine系の薬剤として,chlorpromazineより更に一歩前進したものとして,plegicilの出現を見るに至つた。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.