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海外トピツクス
pp.311-314
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202516
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Thiarnine (V.B1)による接触性皮膚炎
Thiamine等のビタミン剤による副作用はよく知られているが,これは主として注射に続発している。最近V.B1による接触性皮膚炎の報告が見られ,クリームにホルモン,ビタミン等が混入されている現在は,この問題を等閑視することは出来ない故に今回はこの問題を取扱つたHjorthの論文を紹介することにする。Thiamineによる副作用としては今日迄喘息,蕁麻疹,シヨツク,急死等を含んだ多くの報告がある。この副作用は主として注射に続発し,アレルギー性とされている。しかしThiamineはアセチールコリンを賦活する薬理作用を有しているから,Thiamine (V.B1)の皮内即時反応による判定は注意を要するとしている。従つてPraunitz-Küstner反応等により抗体の証明を行うべきであると考えられている。V.B1に対するアレルギー性湿疹性過敏症の報告は今日迄極めて稀であつた。Dalton et PierceはV.B1を取扱つている薬品工場の工員10人でV.B1貼布試験陽性であつたと述べている。しかしこの湿疹の原因がV.B1であるとする確実な根拠はない。Rajka etVinczeは同じ会社でV.B1合成に従事している工員に発生した湿疹の原因はV.B1の中間代謝産物であり,これ等患者の内1例のみが純粋なV.B1に過敏であつたと述べている。
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