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海外トピツクス
pp.449-450
発行日 1957年5月1日
Published Date 1957/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201965
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正常皮膚及び皮膚疾患病巣部に於けるアルカリフォスファターゼの分布に就て
アルカリフォスファターゼ(A.P)の正常皮膚組織に於ける分布規準は未だ完全に確立されていない。又皮膚疾患病巣部に於けるA.Pに関する報告も又極めて少ない。茲に於て正常な人皮膚29例,皮膚疾患68例(224症例)に就ての詳細なA.Pの分布を検索したKopfの論文を紹介することにする。先ず彼はA.Pの性質並にその生理学的意味に就て概説している。即ち,①A.Pは体内の多くの器管に見られるが,各器管に於けるA.Pの生理学的役割に就ては,骨に於ける石灰化,化骨化の過程に於ける役割以外はよく判つていない。②A.Pは組織化学的に線維組織形成,炎症性反応,腺分泌,上皮による吸収,組織分化時等に見出されるが,その意義に就ては依然として未解決である。A.Pは何等かの方法で含水炭素,蛋白,脂肪代謝に関係し,A.P活性は内分泌系により支配されている。A.Pの生理学的役割は依然として謎であるが,物質代謝に於て燐酸イオンの移動又は脱燐酸化に関与し,燐酸分子を含有する化合物の運搬に与ると云う。③多くの文献はA.Pが正常皮膚の多くの部位に存在することを証明しているが,核及び原形質とA.Pの活性との関係はよく判つていなく,或るいはその関係を認め,他の人はこれを否定している。④次に皮膚疾患病巣部に於けるA.Pの分布に就ての今日迄の報告を見ると次の如くである。
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