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海外トピツクス
pp.622-624
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201485
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Reiter氏病とPleuropneumonia like organisms(PPLO)
尿道炎,結膜炎及び関節炎を三大主要症状とする所謂Reiter氏病は1818年 Brodieに依つて,始めて記載され,1904年 Markwaldは赤痢と合併して来る事を指摘した。1916年 Reiterがこの疾患の1例を報告して以来,彼の名で呼ばれるようになつた。その後数多くのReiter氏病様症状を星した症例が報告されている。その中のあるものは1,2の症状を欠き,ある者は更にこの外,角膜炎及び上鞏膜炎等の眼症状,亀頭包皮炎及び膀胱炎等の泌尿生殖器症状並びに丘疹,紅斑及び角化症等の皮膚症状を伴つていた。又結膜炎及び関節炎を伴う尿道炎にはこの外淋菌性のもの他の菌によるものも知られている。このためのurethrooculo-synoviales syndrom名称でも呼ばれる。
数多くのこの症候群の報告があるにも拘らず,今日なおこの病因は未解決の儘である。例えば,ReiterはSpirochaeta foransを起因菌としたが,彼の外に之を証明した人は今日迄ない。又,赤痢の合併症として現われるため赤痢菌とこの症候群との間に関連を求めようとした人もある。一方尿道炎の症状が淋菌性のものと酷似しているために,淋菌を尿道分泌物や関節滲出液から証明しようとした人もあつたが無駄であつた。このためこの症候群を中毒性乃至アレルギー性疾患とするものもある。
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