Japanese
English
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ゼム軟膏の治験
SOME CLINICAL EXPERIENCE OF ZEM OINTMENT
多山 博
1
,
御厨 正夫
1
Hiroshi TAYAMA
1
,
Masao MICURIYA
1
1九州大学皮膚科教室
1Department of Delmatology, Kyushu University.
pp.1159-1162
発行日 1958年11月1日
Published Date 1958/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202395
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緒言
コーチゾン,ハイドロコーチゾン等副腎皮質ホルモンならびにACTHの出現は抗生物質とともに戦後の治療医学を一変せしめたといつても過言ではない。その非感染性炎症疾患に対する効果は劇的であるが,周知のごとく全身投与に際してはしばしば忌むべき副作用が見られるので種々の改良がなされて来た。それはさらに強い抗炎効果を有する物質の合成と局所治療への応用である。前者の目的ではすでにPredonisone,Predonisoloneが広く使用されて居り,最近ではコーチゾンの4.8倍の抗炎作用を有すると伝えられる6-Methyl Predonisoloneも合成せられている。局所使用はThorn(1950),Hollander(1951)が関節ロイマチス息者の関節腔内注射にハイドロコーチゾンを使用したのにはじまるが,皮膚科領域では同じくハイドロコーチゾンを用いたGoldmann(1952),Sulzberger(1952)の局所皮内注射,軟膏療法に関する発表以来内外に多数の報告が見られる。ハイドロコーチゾン軟膏は皮膚炎,湿疹に対して従来の局所治療に比し格段の優れた効果を示し,しかも全身投与に際して見られる副作用が全く認められないのであるから,Sulzbergerの形容のごとく最も簡単で,最もはつきりと早く効果をあげる薬剤であるということが出来る。
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