Japanese
English
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ポリC軟膏の治験
CLINICAL EXPERIENCE OF POLI-C OINTMENT
土肥 淳一郎
1
,
小林 昭治
1
,
望月 直
1
,
古谷 堯
1
Jun-ichiro DOHI
1
,
Akiji KOBAYASHI
1
,
Tadashi MOTIZUKI
1
,
Akira FURUYA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Jikeikai medical College
pp.59-63
発行日 1959年1月1日
Published Date 1959/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202463
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緒言
初めてCoaltarを皮膚科疾患に用いたのはDindが1906年にCoaltarのみを用い諸種の皮膚病特に湿疹に之を推奨して以来Brocq,Tambon,Chajes等が追試して之を確証し漸次普及せられるに至つた。その後我が国では1911年に億川が小児湿疹に用いて居る。国外ではC.J.Whiteが1921年,Feerが1923年に軟膏に混和して用いて居る。基剤としてHillはワゼリン,ラノリン等分中に5%のCoaltarを混じ,Lancaschireは5%亜鉛華泥膏とし,Scholtzは4〜10%同前とした。高橋は3〜5%の割合に土肥氏硼酸亜錯華軟青に混じた。Coaltarの作用機転は如何なる成分が湿疹の治癒に働くか全く明らでない。然しその作用は他の植物性テールやクリサロビン,ピロガロールの如く還元性である事は確かである。Gross等はCoaltarは恐らく角層の新生作用を持ち湿疹病変の治癒を助けるものと考えて居る。又,柴田は殺菌作用(大腸菌,桿状菌,葡萄状球菌等に対し)あるとも云つて居る。
ハイドロコーチゾンは最近皮膚科領域に於て多大の効果を上げて居る事は既に認められて居る。即ち1949年Hench等が此れをロイマチスに使用し次いで同年皮膚科に於てはGraceet,Combesが急性エリテマトーデスに使用して其の効果を認めたのに始まる。
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