Japanese
English
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ハイドロコーチゾン・コールタール軟膏(ゼム)の治験
CLINICAL EXPERIENCE OF ZEM OINTMENT
宮崎 寬明
1
,
田沼 葏
1
,
黒田 和夫
1
,
堀江 徹也
1
,
矢口 秀男
1
Hiroaki MIYAZAKI
1
,
Sigeru TANUMA
1
,
Kazuo KURODA
1
,
Tetsuya HORIE
1
,
Hideo YAGUCHI
1
1順天堂大学医学部皮膚科教室
1Dept. Dermatology, Juntendo University
pp.65-67
発行日 1959年1月1日
Published Date 1959/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202464
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近年Sulzberger等により,ハイドロコーチゾンの局所的使用が皮膚疾患治療上価値ある事が認められるに至つたが,特に湿疹,皮膚炎,局所性掻痒症には高い奏効率を示し,之に就ては既に本邦にも多数の報告が見られる。ただ然し,その欠点とする所を挙げるならば,治療中に屡々症状固定し奏効し難くなる事例,又一旦治療休止後再燃を見る事例があり,又高価な為広汎な病巣には使用し難い事も,亦その難点の1つとしてよい。そこで如上の難点を補う意味で,ハイドロコーチゾンに他の局所治療薬を併用する方法が考慮され,Golzはハイドロコーチゾン軟膏塗布後,タール,イヒチオールその他をその上に追加塗布する事により,それぞれ単独に使用するよりも,よりすぐれた効果を得たと報告している。タール類の中でもコールタールは従来皮膚科的局所治療薬として,その価値はよく知られて居り,Carneyはハイドロコーチゾン必ずしもコールタールを駆逐するものではないと云い,Curtisは貨幣状湿疹に対してはハイドロコーチゾンと同程度の効果があると述べている。
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