Japanese
English
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新局所麻酔剤Epirocainによる泌尿器科領域における麻酔について
CLINICAL EFFECT OF EPIROCAIN, A NEW LOCAL ANESTHELIC IN UROLOGICAL FIELD
土屋 文雄
1
,
峰 英二
1
,
天谷 博
1
Fumio TSUCHIYA
1
,
Aiji MINE
1
,
Hirosi AMATAMI
1
1東京逓信病院泌尿器科
1Department of Urology, Tokyo Teishin Hospital.
pp.1046-1050
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202373
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局所麻酔の歴史は1860年Nieman及びLossenに依りCocain分離の成功に始まり,その後現在までPro-cain,Nupercaine,Metycaine,Tetracaineなど数百種の麻酔剤が世に紹介された。Procainは1905年Bibe-rteod及びBraunにより毒性の少いこと,体内分解が早く習慣性がなく,短時間の煮沸にも耐え,長期の保存も可能であるというような長所が認められ,現在に至るまで局所麻酔薬の王座を占めて来た。泌尿器科領域に於いても主としてProcainが用いられて来たが,表面麻酔力が弱く,日常の診療に最も機会の多い膀胱鏡検査や拡張ブージー挿入などの際の尿道麻酔には効果が不充分であり,より強力な麻酔薬の出現が望まれていた。近時Löfgren,Lundquist等によつて従来の局所麻酔薬とは異つた構造を有するLidocaine(β-Diethylamino-aceto-2.6-Xylidide)が発表され麻酢作用が強く,持続性が大で作用発現が速く,表面麻酔力も強く,また化学的にも安定であることなど種々の点で従来の局所麻酔剤にまさるものと認められ,一躍時代の脚光を浴びるに至つた。
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