泌尿器科領域におけるTanderilの応用

APPLICATION OF TANDERIL IN UROLOGY

I．緒言

　近年oxyphenbutazone （Tanderil）と云うphenylbutazone （Butazolidine）の代謝物が各科領域に於ける消炎及び浮腫抑制に役立つという報告が多数海外文献に見られるが，我々は本剤が泌尿器科領域にも相当応用範囲の広いものならんと考えていたところ，藤沢薬品よりGeigyのTanderilの試供を受け，各種の症例に使用する機を得たのでその結果を報告する。

　Oxyphenbutazone即ち1-phenyl-2（p-hydroxy-phenyl）-3，5-dioxo-4-n-butylpyrazolidineはBasleのJ．R．Geigy社研究所に於て合成され，1957年Pfister，Häfliger^1）により報告された。このOxyphenbutazoneはBurns等がPhenylbutazoneの生体内代謝につき一連の研究を行ない報告した^2）3）4）二種の代謝産物meta-bolite I，IIのうちmetabolite Iに一致するものであり基礎，臨床面で種々の研究が行なわれている。