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新局所麻酔剤Xylocaineを以てする泌尿器科領域に於ける仙骨麻酔法—附:膀胱,尿道粘膜の表面麻酔
稻田 務
1
,
後藤 薫
1
,
仁平 寬巳
1
,
片村 永樹
1
,
日野 豪
1
1京都大学医学部泌尿器科教室
pp.573-582
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201473
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緒言
局所麻酔はCocaineの発見によつて始まつた。即ちGötingenのNiemann及びLossen (1860)ほ初めてCocaineの分離に成功し,Köller及びFreud(1884)はCocaineを局所麻酔剤として使用し,Corning(1888)はCocaineを以てする硬膜外麻酔を発見し,Bier 及び Kiel(1894)は外科手術に際して,Cocaineによる脊椎麻酔を応用した。次でEinhorn 及び Braun(1905)によるNovocaine(Procaine)の発見とその応用があり,Miescher(1925)によるProcaineの20倍の効力を有する局所麻酔剤Nupercaine(Percaine)の発見があり,Elvainは毒性比及び効力比がProcaineより若干大きく非常に安定な短時間性の局所麻酔剤Metycaineを発見し,更にEisleb(1933)はProcaineの約10倍の効力を有する局所麻酔剤Pontocaine(Tetracaine)を発見した。Cocaine発見以来65年間に約2000種の局所麻酔剤が紹介されたが,その後大多数は見捨てられた。然し前記4種の藥剤は標準用量で使用する場合は安全範囲が広く,効果的な局所麻酔剤として高い地位を20年以上に亘つて維持して来た。
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