Japanese
English
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表面麻酔剤Epirocain jellyの泌尿器科領域における使用経験
CLINICAL USE OF EPIROCAIN-DYCLONINE-JELLY FOR TOPICAL ANAESTHESIA IN UROLOGY
南 武
1
,
千野 一郎
1
,
坂詰 正巳
1
,
三浦 義信
1
Takeshi MINAMI
1
,
Ichiro CHINO
1
,
Masami SAKAZUME
1
,
Yoshinobu MIURA
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科教室
1Tokyo Jikeikai School of Medicine
pp.811-814
発行日 1960年9月1日
Published Date 1960/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202902
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緒言
現代泌尿器科学の発達は,他の分野と同様内視鏡ならびにレ線診断法の発展によるところが多い。しかも此等の検査は,日常頻繁に用いねばならぬが故に問題となるのは,施行時及びその後に於いて患者が蒙る疼痛である。無麻酔或は不充分な麻酔のもとに行えば,可成りの疼痛の為に器具の挿入が不能となつたり,充分な観察,処置が出来ないで,往々診断及び治療に支障を来す事がある。全身麻酔或いは腰椎麻酔等を用いれば,完全なる無痛操作が可能となるが,多数の患者に対して一々これを行う事は事実上不可能である。従つて外来患者に対して実施しうる程度の簡単な且つ完全な麻酔法が切実に要求されるわけである。
1806年,Cocaineの発見以来幾多の表面麻酔剤が相次いで登場し臨床的に広く用いられてきたが,未だ表面麻酔力が弱く,その効果発現が遅い上,麻酔持続時間も比較的短かい等の欠点があり,泌尿器科的操作の為の尿道表面麻酔剤としては未だ満足するには至らなかつた。併し乍ら,最近此等の分野の進歩によつて,簡便且つ優秀な表面麻酔剤が出現しつつあることは,我々泌尿器科医にとつて極めて喜ばしい事である。
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