Japanese
English
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新局所麻酔剤エピロカインの使用経験
CLINICAL APPLICATION OF EPIROCAIN, A NEW LOCAL ANESTHETIC
楠 隆光
1
,
井上 彦八郎
1
,
児玉 正道
1
,
糸井 壮三
1
Takamitu KUSUNOKI
1
,
Hikohachiro INOUE
1
,
Masamichi KODAMA
1
,
Syozo ITOI
1
1大阪大学泌尿器科教室
1Department of Urology, School of medicine, Osaka University.
pp.1053-1057
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202374
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局所麻酔剤はCocaineの登場以来今日迄Procaine,Metycaine及びLidocaine等多くの薬剤が紹介されて来ている。之等の内長い間局麻酔剤として各方面に使用されて来たProcaineは麻酔剤として種々の優劣な点はあるが,一面麻酔の持続時間が短かく,且つ不安定で,しかも過敏症を招来すると云う欠点と,特に表面麻酔作用が弱いと云う難点がある。これに対してLidocaineはProcaineの欠点,即ち表面麻酔力の微弱と云う点を補う優秀な薬剤であるが(Haines and Grabstald,1949:Persky and Davis,1953:稲田等,1955:市川等1955,土屋等1956:楠等1956),.毒性が強いと云う点に未だ欠点が残されている(薬師寺及び河野1957)。
最近我々はエーザイ株式会社がLidocaineよりも麻酔作用が強く,その他の点でもLidocaineより勝れていると云われる新局所麻酔剤エピロカインの合成に成功したと聞き,早速本剤の水溶液及びゼリー剤の提供をうけ,水溶液を泌尿器科小手術の際の浸潤麻酔に,ゼリー剤を膀胱鏡的操作の際の尿道麻酔に使用し,麻酔剤として見るべき成績を得たので,茲にその使用経験を述べる。
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