Japanese
English
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当教室における婦人科手術後の尿管損傷の治療例について
ON THE CASES OF URETERAL INJURIES AFTER GYNECOLOGICAL OPERATION TREATED IN OUR CLINIC
岡 直友
1
,
後藤 武
1
,
加藤 一也
1
Naotomo OKA
1
,
Takeshi GOTO
1
,
Kazuya KATO
1
1名古屋市立大学泌尿器科
1Department of Urology, Nagoya City University Medical School.
pp.935-938
発行日 1958年9月1日
Published Date 1958/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202349
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緒言
婦人科的手術殊に子宮癌における広汎性子宮全剔後に,尿管の損傷による諸種の上部尿路の疾患状態殊に尿管膣瘻が発生することは少なくない。本問題に関しては,在来婦人科方面から多くの論文があらわれておつたが,近年泌尿器科においても,ようやくさかんに取扱われるようになり,本年の第46回泌尿器科学会総会においても特に取り上げられた。その治療は在来は婦人科方面にて,或はレ線照射による腎機能廃絶法,尿管閉鎖法,腎摘出術,或はまた自然治癒を待つなどいろいろ行われたが,そのほとんど総てが該側の腎機能を廃絶せしむるものであつた。しかし,その症例の多くは,腎はなお十分に保存的に治療され得べきものであつて,徒に腎廃絶を来さしむるような治療法を選ぶべきでない。今後婦人科と緊密に提携して研究すべきテーマである。
婦人科よりの依頼によつて当泌尿器科に於て昭和29年当初から32年末までの4年間に診断した尿管損傷例は19例であつて,この間に当科で取扱つた婦人患者の0.3%に当つている。私らはこれらのうち,尿管膣瘻・尿管閉鎖・下腹部尿潴溜腫の12例の手術治験例を得たので,これらを概括的に述べ,1〜2の考察を加え,諸先への追加としたい。
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