増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅳ術後合併症とその管理
腎・尿路系
尿管損傷
中西 泰一
1
,
増田 均
1
Yasukazu NAKANISHI
1
1国立がん研究センター東病院泌尿器・後腹膜腫瘍科
pp.279-281
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110279
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米国Premier Healthcare Databaseをもとにした計240万件の腹部手術の集計における尿管損傷の発生率は,消化器外科手術,産婦人科手術および,そのほかの腹部外科手術でそれぞれ0.9%,0.3%および1.17%と報告されている1).決して高い頻度ではないが,対応によっては腎機能に影響することもあるため,マネジメントは重要となる.本稿では対処法などにつき解説する.
なお,術前の疾患状況にもよるが,予防的尿管ステント留置が行われている.消化管の待機的手術においては結腸および直腸手術で7〜9%程度,産婦人科手術で2〜4%程度で尿管ステントの予防的留置が選択されている1).近年では蛍光尿管ステントの使用経験2)も報告されているので検討されたい.

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