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緒言
原発性尿管癌を組織学的に診断し,はじめて発表したのはWising&Bilix(1878)1)で,また術前検査で尿管腫瘍と診断して報告したのはAlbarran(1902)2)が最初である。最近の欧米における統計的観察に関する報告は,1963年に行なつたScott3)の474例があり,また1971年にはHautrey4)が自験例52例について臨床病理学的に報告を行なつている。本邦における最初の報告は,1935年の伊藤5)によるものであるが,その後多くの報告例がみられ,最近では1969年に安藤ら6)が行なつた自験例2例を含めた231例の本邦報告についての統計的観察がみられる。このように原発性尿管癌の報告例は年々増加し,現在ではそれ程まれな疾患ではなくなつてきた。しかし,診断的には未だ困難な点もあり,誤診率が高い尿路疾患の一つで,泌尿器科領域における重要な疾患である。当教室においても,1959年4月から1971年3月までの12年間に20例の原発性尿管癌を経験しているが,このうちの5例についてはすでに教室の今野ら7)と小野寺ら8)によつて報告されているが,今回はこれらの症例も含めて統計的観察を行なつたのでここに報告する。
Clinical and statistical studies were done on the 20 cases of primary ureteral carcinoma, collected during the 12 years since our department was established, including the incidence, age, sex, affected side, site of growth, main symptoms, diagnosis, treatment, prognosis and histopathologic findings, together with some discussions by reviewing the literature.The incidence rate was low among the out-patients and in-patients, and was seen mostly between 40 and 79 years but the highest rate was on the fifth decade.
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