Japanese
English
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皮膚疾患に対するFADの効果
FAD IN THE TREATMENT OF SKIN DISEASES
安田 利顕
1
Toshiaki Yasuda
1
1関東逓信病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kanto-Teishin-Hospital
pp.475-477
発行日 1958年5月1日
Published Date 1958/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202256
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皮膚疾患の治療上におけるビタミンB2の効果は,これまでの多くの報告からも知られる通り,疑う余地のないところである。それは,B2欠乏症(Ariboflavinosis)において,皮膚病変が頻発し,あるいはそれが本症診断の根拠となつていることからも知られる通り,皮膚変化とB2代謝との間に密接な関係が認められることを推定せしめる点が少なくないことからもわかる。
他方B2の生理作用をみるに,体内においては補酵素として働き,いわゆる黄色酵素を形成して,体内酸化還元機構の上に重要な役割をはたしている。その際B2は燐酸エステルであるFlavin-mononucleotide (FMN),それにさらにアデニール酸がピロ燐酸と結合したFla-vine-dinucleotide (FAD)の形で働いているわけである。この中FMNを補酵素とするものが旧黄色酵素でHaas等によつて知られたFADを補酵素とするものは新または単に黄色酵素と呼ばれているものである。
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