Japanese
English
研究と報告
禁断症状を示した慢性メプロバメート中毒の6例
6 Cases of Chronic Meprobamate Intoxication and their Withdrawal Symptoms
三浦 岱栄
1
,
保崎 秀夫
1
,
武正 建一
1
,
馬場 謙一
1
,
種田 真砂雄
2
,
玉井 充
3
T. Miura
1
,
K. Takemasa
1
,
K. Baba
1
,
M. Taneda
2
,
T. Tamai
3
1慶応大学神経科教室
2高岡市民病院
3桜ケ丘保養院
1Dept. of Neuropsychiat., School of Med., Keio Univ.
2Takaoka Citizen Hospital
3Sakuragaoka Sanitarium
pp.429-434
発行日 1964年6月15日
Published Date 1964/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200712
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I.まえおき
meprobamateは,tranquilizerとしてすでに広く使用されている薬物であり,副作用が少ないといわれる点からも一般の人々は容易にこれを入手し使用できるのが現状である。しかし,このような鎮静を目的とする薬物は,それがどのような種類のものであろうとも,長期に使用することによつて耐量が増し,しだいに常習性を獲得することは明らかであつて,このことはmeprobamateについても論外ではない。meprobamateを使用するうちにしだいにその薬用量をこえ常習性を獲得し,その禁断時にけいれん発作の認められることをLemere1)が報告したが,その後もこの薬剤の副作用についてはひきつづき報告がなされている2)3)4)。
Ewingら3)4)は,その臨床実験からmeprobamate禁断時の症状がバルビタール剤のそれと類似していることを指摘し,禁断時には,嘔吐,振戦,筋攣縮,種々の段階の不眠,食欲減退,失調,けいれん発作,いちじるしい不安,幻覚症あるいは振戦せん妄に類似せる病像の見られたことを述べている。
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