Japanese
English
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皮膚病変に対するPara-hydroxypropiophenone(PHP)の応用
PARAHYDROXYPROPIOPHENONE (PHP) IN TREATMENT OF SKIN DISORDERS
安田 利顕
1
,
高野 三郎
1
Toshiaki Yasuda
1
,
Saburo Takano
1
1関東逓信病院皮膚科
1Skin Clinic, Kanto-teishin-hospital
pp.675-679
発行日 1957年8月1日
Published Date 1957/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202020
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PHPは,Buu-Hoi(1950)及びLacassagne(1950)によつて合成された化合物で,diethylstilbestrol分子を2分した構造をもつている。薬理作用は天然,あるいは合成estrogen剤に似ているが,末梢estrogen作用を欠いていることが特徴にあげられている。即ち,発情作用は極めて弱く,stilbstrolの1,000〜10,000分の1(Hohlweg,Emmens),または35,000分の1(Lacassagne,Pockrandt)に過ぎない。且つ,本剤には下垂体からのgonadotropin抑制作用があるが,corticotropinに対してはこれが認められず,唯Perraultはthyrotropinに対する抑制作用について述べている。この結果,estrogen分泌減少に伴うgonadotropinの分泌過剰が本態の1つに数えられている諸種更年期障害に対して,婦人科領域において広く用いられてきた。即ち,Albert Bauer,Hasseline,小林隆,野嶽,植田,牧野,竹村等,赤須,山田等によつて臨床効果が報告されている。HasselineはPHPの臨床的適応範囲として,FSH過剰生産による月経異常,頻発過多月経,出血性メトロパチー,月経困難症にも有効であるとしている。
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