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皮膚結核の化学療法(その5)—Pyrazinamide-Isoniazid併用療法による成績
CHEMOTHERAPY IN CUTANEOUS TUBERCULOSIS. (V. REPORT): ON THERAPEUTIC EFFECT OF THE COMBINED ADMINISTRATION OF ISONIAZID AND PYRAZINAMIDE
三浦 祐晶
1
,
小野塚 仡
1
,
岡田 正
1
Y. Miura
1
,
T. Onozuka
1
,
T. Okada
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology Faculty of Medicine, University of Hokkaido.
pp.287-292
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201928
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緒言
Pyrazinamide(PZA)が抗結核作用を有することは既にKushner等(1952)により認められていたが,副作用として肝機能障害を起すことが報ぜられて一時はその臨床的応用が危まれていた。しかし,その後Schwartz & Moyer(1953)がPZAとIsoniazid(INAH)を併用すると有効で且つ肝毒性も少ないことを認め,更にMcCune等(1954)はマウスの実験結核症において,PZA-INAH併用の場合,その生体内抗菌力がきわめて強く,脾臓内でも菌を証明し得なくなつたと述べ,これは結核菌の生体内絶滅を示すものであるとした。
かくて再び本療法が臨床面に取り上げられるに至つたが,我が国でも既に昭和28年来,島本教授等により紹介され,更に文部省試験研究班,厚生省結核療法研究協議会で多数例につき検討されていることは周知の通りである。これ等の療法はしかし概ね肺結核を対象としてであり,他臓器の結核に対しては未だほとんど使用報告を見ない。我我はこの数年来試みつつある皮膚結核の化学療法の一環として,皮膚結核の二,三の病型に対し本療法を行つてその効果を観察したので,少数例ではあるがここに記述したいと思う。
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