Japanese
English
--------------------
抗ヒスタミン剤ヒスタクールの皮膚科的応用
TREATMENT OF ALLERGIC DERMATOSE WITH ANTIHISTAMIC "HISTACUR"
小森谷 正義
1
,
小川 益弘
1
,
田村 勝義
1
Masayoshi Komoriya
1
,
Masuhiro Ogawa
1
,
Katsuyoshi Tamura
1
1京都大学医学部皮膚科教室
1Dermatological Clinic of the University of Kyoto
pp.145-148
発行日 1957年2月1日
Published Date 1957/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201895
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.まえおき
Histacur(独乙名Allercur)は第1表に示す通りの化学構造を有するBenzimidazol系の抗ヒスタミン剤でありSchulemann,Schenck & Heinz等が合成し現在,独乙Schering製薬会社に於て製造されている。本剤は無色無臭の結晶で融点は+107〜108℃で塩酸塩は水に易溶性である。その毒性についてはラツテに於て静注による急性中毒のLD50は50〜75mg/kgであり,又,30mg/kg21日間の経口投与に耐えうると云われ,マウスの腹腔内投与によるLD50は約400mg/kgであり他の抗ヒスタミン剤Antistine,Dabylen,Neo-Bridal,Pyribenzamine,Soventol,Synpen,Trimeton等より遙に毒性が少い。
本剤の抗ヒスタミン作用に関してはヒスタミン1.0γ/ccが発現するモルモツト腸管の痙攣は本剤の0.6γ/ccにより全く抑制され,モルモツトに於てヒスタミン投与により発生する喘息の抑制比較試験によるとPyribenzamine,Neo-Bridal,Chlortrimeton,Antistine等と比肩し得る効力を有すると云われる。臨床的にも本剤の特徴はその作用が迅速確実で且副作用の甚だ少く,経口的の吸収が良好と報告されている。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.