Japanese
English
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尋常性痤瘡に対するPara-hydroxypropiophenone (カスタンコーワ)の効果
EFFECT OF PARA-HYDROXYPROPIOPHENONE ON ACNE VULGARIS
宮崎 寬明
1
,
古谷 達孝
1
Hiroaki Miyazaki
1
,
Tatsutaka Furuya
1
1東京大学医学部附層病院小石川分院皮膚科
1Dermatalogical Clinic of Koisikawa-Branch Hospital University of Tokyo
pp.143-145
発行日 1957年2月1日
Published Date 1957/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201894
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尋常性痤瘡の原因としては内分泌障碍,代謝障碍,胃腸障碍,肝機能瞳碍,細菌感染等諸種の要因が挙げられているが,近年内分泌障碍が特に重視されるに至つている。之については既に以前より,本症が思春期に至つて始めて発生する事,類宦官症,去勢者には本症を見ないが男性ホルモン投与により痤瘡の発生する事,その他の臨牀的観察から性ホルモンの関与が推論されていたが,最近Wile等(1939),Lawrence 及び Werthessen等(1942)は本症患者に尿中アンドロゲン対エストロゲン比の増大する傾向のある事を指摘し,その後に於ても川岸,Schreus等同様の観察を報告する者多く,又更にAron-Brunetièreはアンドロゲン+プロゲステロン対エストロゲン比の増大に注目している。而して又性ホルモンの毛嚢脂腺系に対する作用についてはHooker及Pfeiffer,Ebling等は実験的にエストロゲン投与により脂腺萎縮を来たす事を証明,Haskinはアンドロゲン及びプロゲステロン投与により脂腺の肥大増殖の起る事を認めて居り,今日の所本症の原因をアンドロゲン乃至プロゲステロンの痤瘡発生作用に対するエストロゲンの抑制作用の均衡の破綻に求めんとする者が多い。
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