Japanese
English
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抗ヒスタミン剤塩酸プロメタジンの皮膚的応用
TREATMENT WITH PROMETHAZINE HYDROCHLORIDE AGAINST DERMATOSE
小森谷 正義
1
,
田村 勝義
1
Masayoshi Komoriya
1
,
Katsuyoshi Tamura
1
1京都大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.1112-1117
発行日 1957年12月1日
Published Date 1957/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202123
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I.まえおき
塩酸プロメタジン(Promethazine hydrochloride)はHalpern等(1946)により発明され,3277 R. P.(商品名Phenergan)としてフランスのRhone-Poulenc会社より発売されている抗ヒスタミン剤である。化学構造よりみると本剤は第1表に示す如くPhenothiazine系の抗ヒ剤に属し,白色又は淡黄色の粉末で,殆ど無臭であるが苦味を有し,0.6倍の水に溶け,アルコール,クロロホルムにも溶解する。溶融点は221〜225°を示す。これより錠剤及び注射剤が製造されている。本剤をメチレン・ジサルチル酸塩(Promethazine Methylendisalicyiate)にすると苦味は消失し,これは散剤に応用されている。本剤は抗ヒ剤としては勿論のこと,クロールプロマジンとの間に著明な協同効果を有するため,人工冬眠療法に於て盛に使用されている。次に薬理作用上の特徴1)を見ると,
1)少量で長時間有効である。この点Chlor-Trimeton(又はNeorestamin,Allergin)或はHistacurと相似る。
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