--------------------
海外トピツクス
pp.338-340
発行日 1956年5月1日
Published Date 1956/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201691
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
組織移植の実験的研究
E.Knakeは既に組織移植に関する論文をいくつか発表しているが,最近再び自家移植,同種移植及び異種移植に関する実験成績を発表し,従来の考え方とは若干異つた見解を述べている。著者の実験方法は,自家及び同種移植ではラツテの脾臓を,異種移植ではマウスの脾臓を夫々15乃至20mgの薄い切片として,いづれもラッテのMesotestisに植え込むのである。これを後に取り出して組織学的検索を行つている。この組織片を薄い切片とするのが,この実験の特徴である。
著者の考え方によれば,自家移植と同種及び異種移植とは根本的に区別しなければならないもので,移植可能性に対する血族的因子は決定的のものであり,先ず第一に血管系にその影響を及ぼし,この血管の変化がその後に起るすべての変化の基礎であるというのである。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.