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海外トピツクス
pp.582-584
発行日 1956年8月1日
Published Date 1956/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201753
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皮膚科に於けるカンジダ症
Candida属は誤つてMonilia として分類されているが,此の中には皮膚及び粘膜に対し病原性を有するC.albicansを含んでいる。最近10年間広領域作用性抗生剤療法により,C.albicansなる疾患が屡々見られる事が注意きれている。此れは又,glucosteroid療法によつても認められる。然し広領域作用性抗生剤単独或はHydro-cortisoneとの併用により,他の非病原性のCandidaの発育が促進される事はなく,又この療法によりカンジダ症を起し得なかつたと云う意見も多数ある。又最近は職業的にもCandidaの感染に曝されず,抗生剤治療も受けなかつた人々にもC.albicansによるparonychiaが増加していることが注目されている。C.albicansは健康皮膚,口腔粘膜,胃腸管,腟等に普通に見られる,非病原菌であり,此れが病原性を獲得するのは,菌生態学上の障碍に基因すると考えられ,又小児,糠尿病患者,老衰者に多い事により,菌に対する組織の抵抗性の変化が考えられている。C.albicansと膿球菌の共存はgly-cogen rich Candidaが膿球菌のためのよき培地があることより想像されることである。
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