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海外トピツクス
pp.477-478
発行日 1950年11月1日
Published Date 1950/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200427
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痤瘡の治療
尋常性痤瘡は多く見られる疾患であるが,特に有効な治療法がないようである。アメリカにおいては本症が甚だ多く,ことに重症のものが少なくないので,その研究はなかなか盛んに行われている。最近アメリカのシンシナチ大學からDexterの研究が發表せられ,すでにその國の一般雑誌にも紹介せられた。その方法は痤瘡の發生を促す習慣の禁止と局所療法とから成り100例の實驗において全例に効果を擧げた。習慣の禁止の第1は食餌上にあり,チョコレート,コカコーラ類,ナット類,フライ料理を攝らぬように指示する。第2は美容上の習慣に關してゞ,顔の洗い方を正しく行い,脂肪性化粧品を使用しないように教える。第3は手の上に顔をのせる習慣をやめさせる。第4は感情の興奮状態を生じないようにし,場合によっては精神療法を行う。最後に痤瘡を悪化せしめる藥物(たとえばヨード,ブローム,テストステロン)の連用を注意する。局所療法としては毎日朝晩洗顔して塗藥する。そのやり方は,まず皮膚を耐えられる程度の熱い湯で濕めし,次いで石鹸泡を軟かい布で塗り,30〜60秒放置,最後に熱い湯で洗い流す。かゝる操作を2回行つたのち,冷水をもって洗う。これが乾燥したのち直ちに局所藥を塗布する。局所藥の組成はレゾルチン2%,硫黄8%およびアルコール11%を肌色の非脂肪性基剤(Dekterはアメリカの市販品acnomelを用いた。)に混じたものである。
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