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海外トピツクス
pp.246-248
発行日 1956年4月1日
Published Date 1956/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201665
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廻腸膀胱形成術の放射性同位元素吸牧試験による研討
最近尿管及び膀胱の種々の疾患のために盛んに応用され出したIleo-cystoplasty,即ち廻腸膀胱形成術の2つの欠点,即ち尿成分の再吸收及び粘液の尿中混入を除去するために,Shoemaker及びGratzingerは1954年に動物実験で膀胱に吻合する廻腸の粘膜を切除して漿膜面を内側に向う様にして見た。するとこの吻合腸壁部には膀胱粘膜から移行上皮が増殖して,その表面を被う様になる。即ちこの方法による廻腸膀胱形成術は組織像からは正常膀胱に近いものであるが,その生理的状態,特にその尿成分の吸牧作用の如何を知るために,Marucci(1955)は犬に就て放射性同位元素を応用して,次の実験を施行した。
体車12〜15kgmの犬を使用し,1)粘膜層を切除し,漿膜面を内側に向けた廻腸を上牛分を切除して残つた膀胱三角部に吻合した群,2)普通の廻腸を膀胱三角部に吻合した群,及び 3)対称として正常膀胱の群の3群に分けて,その膀胱内にI131,P32及びNa22の水溶液(生理的食塩水)を注入して,末梢血液内のそれ等の含有量を注入後15',30',45',60',90'及び120'の7回に亘つてGeigermueller counterで測定した。
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