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Flavin adenine dinucleotideによる2,3皮膚疾患の治療効果について—Flavin mononucleotideとの比較
堀江 徹也
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1順天堂大学医学部皮膚科教室
pp.901-905
発行日 1955年10月1日
Published Date 1955/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201518
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緒言および歴史
1926年迄ビタミンB群は本質的に単一なものと信じられていたが,Smith,HandrickはビタミンBは単一なものではなく,非耐熱性で抗脚気性の因子と耐熱性で成長促進性因子の2ツがあることを見出し,1927年英国医学研究会議で前者をビタミンB1,後者をビタミンB2と呼ぶことになつた。このB2においても成長促進性の因子のほか,抗皮膚炎性の因子など種々の因子よりなることが分り,György,Kühn,Wagner-Jaureggにより成長促進性の因子は肝,心に含有される黄色々素であることが確められ,卵白より結晶状に取出されてOvoflavinと名付けられた。その後B2に関しては種々の研究が発表され,その研究過程にLac-toflavin,Hepatoflavinなる名称が与えられた。Warburg,Christianは1932年底面酵母の浸出液より黄色酵素を取出し,前述のOvoflavinと同一なることを明らかにした。この黄色酵素はThe-grell(1934年)により更に純化され,蛋白部分と黄色々素の部分の2ツより成ることが見出され,黄色々素の部分はその中に1分子の燐酸を含むFlavin mononuleotide(FMN)であることが判明した。
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