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ビタミンB12の種々皮膚疾患に對する臨床効果
弓削 順二
1
,
堀江 徹也
1
,
市石 明子
1
1順天堂大学医学部皮膚科教室
pp.715-717
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201317
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緒言
ビタミンB12は1948年Rickes,Smithなどにより略々時を同じくして,肝臓エキスより抗悪性貧血作用のある赤色物質の抽出に成功し,爾来貧血治療剤として使用され,優れた効果を收めた。その後本物質の研究により,蛋白,脂肪および糖代謝などに重要な関係のあることが判明し,又抗アレルギー作用があると唱える人もある。その作用機序が明確になるにつれ,治療的に単に悪性貧血に用いられるばかりでなく,種々の皮膚疾患にも有効であることが分つた。
B12の性質は赤色無定形の結晶であつて,分子中にコバルトを含有することからCobalamineとも云われている。SmithなどはB12が吸收スペクトル,クロマトグラフ,微生物分析法により数種の因子から成立していると発表している。即ちB12a—B12fであるが,治療面ではB12a,B12bCyanocobalamine,Hydroxycobalamineが主として使用されている。しかしその化学構造式は未だ不明である。
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