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海外トピックス
pp.250-251
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201411
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水分負荷による手術侵襲の腎機能に及ぼす内分泌学的関連に就て
手術というStressによる新陳代謝の変化は,脳下垂体一副腎皮質系の反応によるものであり,その変化はACTH投与のそれと必しも同一ではない事を,Niord, R. N. Jr.,and Hayes, M. A.(1954)は指摘し,腎臓のStressによる反応は,副腎皮質ホルモンのみならず甲状腺と副腎皮質の相互関係が,この変化に深く関係していること,そして,その作用点は腎尿細管上皮であつて,その炭酸脱水素酸素に副腎皮質ホルモンはその作用を促進させる如く働き,Thyroxine及Diamoxは抑制する作用を有する為であろうと述べた。次にその臨床例に就ての実験的諭拠を紹介する。
対照群をA,B両群に分ち,A群にはACTH,Thyroxine B群にはACTH,Diamox(carbonic anhydraseinhibitor)を夫々単独に或いは併用して投与する。次に手術患者をA,B両群に分ち,ACTHの代りに手術なるStressを与えたと考えて,Thyroxine,Diamoxを対照群と同様な方式で投与する。水分負荷は総て5%萄萄糖を1時間250ccの割合で1000cc静注する。この様にして血清及尿のNa,K,pH,尿滲透圧,尿滴定酸度,クレアチニン,尿コルチコステロイド及び尿量を測定した。
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