--------------------
脱毛に対するビタミンD2の作用(第1報)
蔭山 亮市
1
,
坂本 邦樹
1
,
井本 勢太郎
1
,
橋本 誠一
1
1大阪大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.247-249
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201410
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
V.D2は皮膚科領域に於て,尋常性乾癬,天疱瘡,皮膚結核に有効である事は既に多くの報告がある。
又V.D2が毛髪発育に良効な影響をあたえる事は尋常性狼瘡の治療の際に数氏によつて述べられている。Beutnagel,Friedrich(1948,1950)1)は牛乳蛋白と結合したV.D2投与によつて病的に障害された毛髪の再生に非常によい成績を報告している。之はGeiger(1951)2)によつて円型脱毛症79例につき追試され,78%の有効例を報告している。Halla(1952)3)も脱毛症にV.D2の有効なる事を説いている。Thomascheck(1954)4)はAntikoagulatin 及び Thrombocid投与患者の98%に頭部毛髪の全脱落が起る事に気附き,その102例につき Thrombocid投与と同時に予防的に牛乳蛋白と結合したV.D2を最初の14日は1日3回V.D2錠1個それに引続き1日2個(1錠V.D21mg, V.D21mg=4万単位)総量180〜200mg(720万〜800万単位)を投与し,94%には何ら脱毛をみなかつたと報じている。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.