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ペル・アブロジル≫M≪による排泄性腎盂撮影法及び經腰的大動脈撮影法
稻田 務
1
,
加藤 篤二
1
,
後藤 薫
1
,
大森 孝郎
1
1京都大学医学部泌尿器科教室
pp.51-55
発行日 1955年2月1日
Published Date 1955/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201356
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緒言
排泄性腎盂撮影法は1923年Rowntree等の沃那の静注に始まるが,腎盂撮影の充分な目的を達しなかつた。1929年Rosenoは沃那に尿素を結合せしめたものをPyelognostと称して使用し,薄いながらも腎盂像を得るに至つたが,副作用が相当に劇しく,普及に至らなかつた。同年にBinz,RätzによりUroselektanが創製され,翌1930年にOssenbecker,TietzによつてAbrodilが合成され,Bayer会社より発売された。この両者は優秀なものではあつたが,粉末のまゝで発売され,使用に当り注射操作が頗る複雑であつたので之が改良せられてUroselektan BとPerabrodilとが出現した。Perabrodilによる排泄性腎盂撮影法に就ては既に高橋,土屋,石津氏等(1932,1933年)の報告があり,鮮明な腎盂像を与える事を認めている。最近Bayer会社にてperabrodil≫M≪が合成され,その製品を吉富製藥K.K.より提供を受け,排泄性腎盂撮影法及び経腰的大動脈撮影法に使用して,優秀な臨床成績を得たので茲に報告する。
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