皮膚科図譜・46・47
皮膚類肉腫/結節性動脈周囲炎,皮膚型
福代 良一
1
,
仁木 富三雄
1
1東大皮膚科
pp.49-50
発行日 1955年2月1日
Published Date 1955/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201355
- 有料閲覧
- 文献概要
55歳,家婦。家族歴,既往歴に特記すべきことはない。本年8月皮疹に気付いた。皮疹は被髪頭部に限られ,多数播種状に在り,米粒乃至大豆大,円形,扁平に隆起し,境界鮮明,褐紅色を呈し,表面平滑で光沢あり,或は多少の鱗屑を附し,かなり硬く触れる(第1図)。淋巴腺腫脹なく,肝脾触れず,尿及び血液に異常なく,梅毒反応及びツベルクリン反応陰性。組織所見,表皮萎縮,真皮全層に亘り類上皮細胸及び巨大細胞より成る大小の細胞集団が充満し,それらは結合織により渦卷状に囲まれ,辺縁に多少の淋巴球を伴う(第2図)。乾酪壊死は認められない。巨大細胞の多くは原形質が蜂窩状を呈し,そこに星芒状封入体(asteroid inclusion body)の認められるものが若干ある(第3図)。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.