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70%ウロコリンによる経腰的大動脈撮影法
稻田 務
1
,
後藤 薰
1
,
大森 孝郎
1
,
八田 榮造
1
1京都大学医学部泌尿器科教室
pp.687-691
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201310
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緒言
排泄性腎孟撮影法に使用される造影剤としては1923年Rowntree等の静注に用いたる沃那に始まり,1929年Rosenoは沃那を尿素に結合せしめたものをPyelognostと称して使用し,薄いながらも腎孟像を得るに至つたが,副作用が相当に劇しく普及に至らなかつた。同年にBinz,Rätzにより創製されたUroselektanに就てLichtenbergSwickが臨床的検査を行い,従来にない明瞭な像を得るに至り,更に翌1930年Ossenbecker,TietzによつてAbrodilが合成された。この両者は優秀なものであつたが粉末のまま発売され,使用に当り注射操作が不便であつたので,水溶性のUroselektan BとPerabaodilが出現した。本邦に於ては杉井博士が1930年にSugiuronを合成し現今広く臨床的に使用されている。戦後米国に於てはJodopyracet(Diodrast)とNeoiopaxが盛んに使用されており,JodopyracetはPerabrodilと,NeoiopaxはUroselektan B及びSugiuronと同一物である。我々は本邦製Jodopyracet(Pyraceton)による排泄性撮影法に就ては先に報告した所である(1952年)。
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